ジスロマックは性器クラミジアの第一選択薬

ジスロマックは性器クラミジアの第一選択薬

ジスロマックはクラミジア菌の増殖を抑える抗生物質

ジスロマックは、ファイザー社が製造販売しているマクロライド系の抗生物質です。商品名とは別に、一般名として「アジスロマイシン水和物錠」とも呼ばれます。

ジスロマックは、細菌のタンパク質合成を阻害し、増殖を抑える働きがあります。他の抗生物質に比べて、抗菌作用が強いのが特長です。

その作用の強さから、咽頭炎や急性気管支炎、肺炎や子宮頚管炎など、様々な炎症を抑える薬として用いられています。

クラミジア性子宮頸管炎やクラミジア性尿道炎など、いわゆる性器クラミジア(クラミジア・トラコマチス)にも高い効果を発揮します。治癒率は97%から98%です。

ジスロマックは作用が強いため、1回服用するだけで10日間も効果が持続します。

薬を飲み忘れると、せっかく減少していた菌が再び増殖し、症状が再発してしまいます。ジスロマックは毎日飲む必要がないため、飲み忘れによる再発リスクが低いのです。

ただし、ジスロマックには弱点もあります。

病原菌の中には、ジスロマックが効かない「耐性菌」も存在します。

病気の原因になっているのが耐性菌だった場合、ジスロマックを飲んでもクラミジアを治療できません。その場合は、ニューキノロン系抗生物質の「クラビット」やテトラサイクリン系抗生物質の「ビブラマイシン」などが使われます。

ジスロマックは菌が増えるのを防ぐ作用をもつ薬

クラミジアの第一選択薬として使用されるジスロマックは、どのような仕組みで菌の増殖を防ぐのでしょうか。

ジスロマックの作用の仕組みを解説します。

菌が増殖するためには、体の構成要素であるタンパク質を合成する必要があります。タンパク質合成は、リボソームという器官で行われます。

このリボソームは「30S」と「50S」に2分されます。ジスロマックは、50Sに作用して、タンパク質が合成されるのを阻害します。その結果、菌の増殖が抑えられ、残っていた菌も免疫によって体から排除されていくのです。

ジスロマックは、人間の細胞に寄生するクラミジアのほか、細胞壁をもたない細菌のマイコプラズマに対しても強い効果を発揮します。

ジスロマックを服用すると、副作用として軽い吐き気や下痢、腹痛などが起こることがあります。まれに心室頻拍やQT延長症候群が起こることもあります。このような症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師と相談しましょう。

余談ですが、マクロライド系抗生物質と呼ばれる薬の中でも、胃酸に対する安定性や体内組織へ移行する力がアップしたものを「ニューマクロライド系抗生物質」と呼びます。ニューマクロライド系抗生物質には、「クラリスロマイシン」や「アジスロマイシン」が含まれます。

ジスロマックは錠剤以外にも様々な形で使われる!剤形によって有効に病気が変わる

ジスロマックは、錠剤の他にも様々な形で販売されています。剤形によって有効な病気も変わってきます。

ジスロマック錠250mgは、深在性皮膚感染症やリンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎など、様々な炎症に対する抗生物質として使用されます。

ジスロマックの成人用ドライシロップもあります。作用はジスロマック錠250mgと変わりません。アジスロマイシンとして2gを水で溶かし、空腹時に飲みます。

性器クラミジア感染症の治療であれば、1回の服用で10日間に渡って効果を発揮します。

ジスロマック錠600mgは、エイズ患者の「非結核性抗酸菌症」の発症抑制や治療に使われます。非結核性抗酸菌症はMAC症(播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス症)とも呼ばれます。

ジスロマックには、子供用に作られたものもあります。

子供用に作られたジェネリックが、「細粒小児用10%」や「カプセル小児用100mg」です。

細粒小児用10%は粉状の薬です。カプセル小児用は、250mg上に比べて小さく、飲みやすくなっています。

細菌が原因の肺炎や、骨盤内炎症性疾患重症には、「ジスロマック点滴静注用500mg」が使われます。